Ear Drum Event - 小杉武久
小杉さんはインストラクション作品が多くあります。
生前2018年1月に小杉さんとお話したときに、
インストラクション作品は誰でも演奏して良いか、
聞きました。
お答えとしては、良い。けれど、
うまくやらないと、いけないね、と。
ネットでも手に入れることのできる作品集Instruction Works。
この中から体験として一度「Ear Drum Event」(1962)を
数人でおこなってみました。
これはきっと記録映像などで観るよりも、
実際にやっていること自体がものすごく面白い。
耳を覆い隠したりして聴覚環境を操作するのは、
で経験したことがあるメンバーもいましたが、
とても豊かな音響が繰り広げられたとしても、
自分本人しかその体験の内容を知り得ないという特徴があります。
小杉さんの60年代のこの作品では耳の操作以外に、
音の発生源を覆い隠したり、
ドアや窓を空けて音の響く環境を変容させたりといった、
仕掛けが書かれています。
聴覚に集中しものすごく敏感になっていく時間は楽しい。