2019-05-08 何て小さな思考が人生の全体を満たすのか 書籍情報 リチャード・パワーズの『オルフェオ』(木原善彦訳)という小説。 アメリカに住む実験音楽の作曲家が主人公です。 大学を引退した身の彼に、あることをきっかけに細菌テロの容疑がかけられます。 音楽と細菌とがどうつながるのか、作曲家の生い立ちと現在の出来事がクロスしながら描かれます。 無力でありながら、あらがえない力を持つ音楽。それとともに生きることの苦しみと喜び。 この小説を鏡に、自分の音楽に対する姿勢を見つめたり、作中に引用されるメシアン、ケージ、ライヒなどの音楽が、言葉でどう表現されるかを味わったり。 「何て小さな思考が人生の全体を満たすのか」 そのことに気付かせてくれるのも音楽。