ヤエイチ実験音楽部

マイペース運転。

何て小さな思考が人生の全体を満たすのか

 

 
アメリカに住む実験音楽の作曲家が主人公です。
 
大学を引退した身の彼に、あることをきっかけに細菌テロの容疑がかけられます。
 
音楽と細菌とがどうつながるのか、作曲家の生い立ちと現在の出来事がクロスしながら描かれます。
 
無力でありながら、あらがえない力を持つ音楽。それとともに生きることの苦しみと喜び。
 
この小説を鏡に、自分の音楽に対する姿勢を見つめたり、作中に引用されるメシアン、ケージ、ライヒなどの音楽が、言葉でどう表現されるかを味わったり。
 
「何て小さな思考が人生の全体を満たすのか」
 
そのことに気付かせてくれるのも音楽。