ヤエイチ実験音楽部

マイペース運転。

イベント情報 2019/5

5/1 GW3H 江崎將史ソロ space eauuu
5/3 正直(時里充・小林椋)×江崎將史 千鳥橋・梅香 FIGYA
5/11 シェーンベルク 月に憑かれたピエロ アンサンブル九条山 ゲーテ・インスティツゥート・ヴィラ鴨川
5/13 読書会 Experimental Music Since 1970 京都Social Kitchen
5/16 Hermeto Pascoal a Grupo 天満橋ドーンセンター
5/25 NOISE MAY DAY 2019 MASONNA、SOLMANIA SLUR、YPY、BBVGC 難波ベアーズ
6/9 ...息のキャンバス 旧グッゲンハイム邸
6/9 先端音楽実験会 神戸ビッグアップル
6/21 松平 敬レクチャートーク大阪万博シュトックハウゼン」+「シュピラール」実演 京都メディアショップ
6/23 スキッパハスッパ、andmo 神戸ビッグアップル
6/29 息のキャンバス、磯端伸一+薬子 尚代(P)+みすず、橋爪皓佐 神戸ビッグアップル
7/7 工藤冬里と健司愛子千恵 音凪
10/5 息のキャンバス、野営地 神戸アートスペースかおる
 
参照元
ライブハウス関係
難波ベアーズ http://namba-bears.main.jp/
旧グッゲンハイム邸 http://www.nedogu.com/
神戸ビッグアップル http://www.geocities.jp/kbigapple/
 
WEBサイト
関西クラシック情報 http://music-kansai.net/

何て小さな思考が人生の全体を満たすのか

 

 
アメリカに住む実験音楽の作曲家が主人公です。
 
大学を引退した身の彼に、あることをきっかけに細菌テロの容疑がかけられます。
 
音楽と細菌とがどうつながるのか、作曲家の生い立ちと現在の出来事がクロスしながら描かれます。
 
無力でありながら、あらがえない力を持つ音楽。それとともに生きることの苦しみと喜び。
 
この小説を鏡に、自分の音楽に対する姿勢を見つめたり、作中に引用されるメシアン、ケージ、ライヒなどの音楽が、言葉でどう表現されるかを味わったり。
 
「何て小さな思考が人生の全体を満たすのか」
 
そのことに気付かせてくれるのも音楽。
 
 

実体のないパフォーマンスについて

パフォーマンスって言語化すると何だろう。

パフォーマンスアーティストのアブラモヴィッチさん、

彼女の言葉が日本語付きで動画にあります。

 

 

 パフォーマンスとはパフォーマーによってある特定の時間内で

 観客の目の前の空間に作り出される

 精神と肉体によって構築されたもので

 そこからエネルギーの交流が生じます

 観客とパフォーマーが共に作品を作るのです

 

 パフォーマンスではその瞬間その場に在ることがすべて

 

 パフォーマンスは見逃してしまうと記憶や

 誰かから聞いた話しか残らず

 実際にはすべて失われます

 その場にいる必要があるのです

 

 

マリーナ・アブラモヴィッチさんのTED

www.youtube.com

 

非物質的なアートという意味では、

音楽が最も非物質的だと言う彼女。

実験音楽パフォーマティブな作品についても、

記録に触れるだけではなくて、

実体験的にたくさん可能性がありそうですよね。

 

 

 

5/13 読書会 Experimental Music Since 1970

Jenny Gottschalkさんの「1970年以後の実験音楽

という本の読書会があります。

定員4、5名くらいです。

 

www.facebook.com

 

 こちらの本です。

 

 

日時:2019年5月13日(月)12時より14時ごろ
場所:Social Kitchen
参加費:1000円(ワンドリンク付き)
ファシリテーター:若尾 裕(わかお ゆう)

お申込/お問合せ:キッチンはなれ
kumiwakao@hanareproject.net
090-5010-0790

 

 

興味のある方はおいでませ。

 

 

Ear Drum Event - 小杉武久

小杉さんはインストラクション作品が多くあります。

生前2018年1月に小杉さんとお話したときに、

インストラクション作品は誰でも演奏して良いか、

聞きました。

 

お答えとしては、良い。けれど、

うまくやらないと、いけないね、と。

 

ネットでも手に入れることのできる作品集Instruction Works

 

 

この中から体験として一度「Ear Drum Event」(1962)を

数人でおこなってみました。

これはきっと記録映像などで観るよりも、

実際にやっていること自体がものすごく面白い。

 

耳を覆い隠したりして聴覚環境を操作するのは、

これまでに寺内大輔さんの「耳の音楽」(2003)

で経験したことがあるメンバーもいましたが、

とても豊かな音響が繰り広げられたとしても、

自分本人しかその体験の内容を知り得ないという特徴があります。

 

小杉さんの60年代のこの作品では耳の操作以外に、

音の発生源を覆い隠したり、

ドアや窓を空けて音の響く環境を変容させたりといった、

仕掛けが書かれています。

 

聴覚に集中しものすごく敏感になっていく時間は楽しい。

 

 

 

 

 

 

Wall Piece for Orchestra - オノ・ヨーコ

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壁に頭を打ちつけるインストラクション

人によって窓に打ちつけたり

 

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手すりとか、床とか、皆自由ですね

今日は発展していきました

1962年の冬に書かれたイヴェント

 

Yoko Onoさんのグレープフルーツ 

 

 

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失敗という概念がない音楽。

芸術とか音楽って、直接わかりやすく役に立つものではなくて、

なかなか経済活動と結びつけにくい、

じゃあどうやって生きて活動していこうかと、

あれこれ議論しています。

 

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その中で、この日みな頷いていたのが、

 

”誰にでもできて”

”どんな結果も受容する力”

”失敗ということがそもそもない”

”知識や経験の差も豊かな多様さに繋がる”

 

というようなことを志向していくこと。

音楽って、上手に歌えなければならなかったり、

12平均律から外れたら音痴って言われたり、

ひと握りの選ばれた人しか認められなかったり、

妥協としてのアマチュア活動だったり、

そういうことではなくて。

 

境界を取っ払っていこうと、

もくもくと芸術について、

話したり意見を交わします。

 

そんな時間そのものも楽しいですね。